3つのスイッチと、めざまし茶づけの魅力について、東京学芸大学附属世田谷小学校 栄養教諭の今里衣先生(以下「今先生」)に、インタビューさせていただきました。今先生にお話をお伺いすると、お子さまの朝ごはんにお茶づけがぴったりなことがわかりました。
2011年4月東日本大震災直後の宮城県で栄養教諭となる。2016年度より現職。子どもが楽しく食事をとりながら、栄養や献立に興味を持ってもらえるよう、工夫をこらした日々の献立づくりや給食業務、食に関する指導に励む。著書に『まかせてね 今日の献立シリーズ(汐文社より)』がある。
今先生、うちの娘、朝ぼーっとすることが多いんですがどうしてでしょうか。
寝ている間にも頭は動いていて、エネルギーを使っています。
だから朝はエネルギー不足。小学生のお子さまが朝ぼーっとするのは、エネルギー不足だから、という理由が多いんです。
ぼーっとしてしまうのは、エネルギーが足りないからだったんですね!
朝食を食べることで、ぼーっとするからだを目覚めさせることができるんですよ。それを「3つのスイッチ」と呼んでいます。3つとは、あたまのスイッチ、からだのスイッチ、おなかのスイッチです。
朝食を食べるとスイッチがONになるわけですね!あたまのスイッチとは具体的になんでしょうか?
あたまのスイッチとは、脳の栄養源であるブドウ糖をとることで入るスイッチです。
朝食を食べると脳が活発に働き始めるんですね。
はい、文部科学省の学力テストの調査で、朝食を食べている人は問題の正答率が高い傾向にある、ということが示されています。(※令和4年全国学力・学習状況調査(文部科学省)より)
勉強と朝食は関わりがありそうですね。ブドウ糖が含まれる炭水化物には、ご飯、パンなど色々ありますが、朝食には何を摂るのがいいのでしょうか?
ご飯がおすすめです。ご飯はパンと比較してゆるやかに血糖が上昇し、維持されるからです。給食のだいぶ前なのにお腹が空いたり、空きすぎて気持ちが悪くなる経験はありませんか?それは血糖値が下がってエネルギー切れを起こしている状態なんですよ。
わーそれ経験あります!辛いですよね。からだのスイッチについても教えてください。
寝ている間に体温は下がり、起きたときは体温が低いんです。朝食でからだのスイッチが入ると、体温が上がり、身体が動きやすくなります。スポーツテストの結果が高い子供は朝食を食べている傾向にある調査結果があるんですよ。(※令和4年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査(スポーツ庁)より)
朝食と運動にも関わりがあるんですね!冬は特に体を温めることが大切なのですか?
冬は寝起きの体温が低く、かつ室内も寒いため、朝ごはんを食べることで、身体を温める力を引き出すことは大切と言えます。お茶づけは温かいので、負担をかけずにからだのスイッチがいれられます。さらに、抹茶、海苔、あられの香りで、食欲がない時でも進んで食べることができると思いますよ。
食欲がないときでも食べてくれることは安心ですね! 3つめのおなかのスイッチはどんなものですか?
朝食を食べることで、おなかのスイッチが入ります。毎朝食べて生活リズムを整えましょう。
朝食を習慣にすることが大切なのですね。朝お茶づけを食べると良い効果があるのでしょうか?
朝食を食べることで、おなかのスイッチを入れられますよ。実は小学校の低~中学年のうちが、朝食を食べる習慣をつくるチャンスなんです。
実は寝ている間におよそコップ一杯分もの汗をかいているんですよ。だから、朝に水分と塩分を摂ることはとても重要なんです。
コップ一杯!たしかにうちの子供も汗だくで寝ています。
それにも関わらず、子供は進んで水を飲まないことが多く、水分不足になりがちなんです。知的好奇心が強く喉が渇いていることに気づかないのかもしれませんね。だから、食事の中で水分と塩分を摂ることはとてもいい方法だと思います。
朝のお茶づけは暑い夏にもおすすめです。小学生は、帽子にマスク、教科書がたっぷり入ったランドセルと水筒……と登校するだけでもたくさん汗をかきますので、朝食はしっかり食べておきたいですね。
色々教えていただき、ありがとうございます。
はい、お米でブドウ糖を摂ることができ、水分と塩分を摂ることができるお茶づけは、お子さまの朝食におすすめできると思います。またお茶づけは色々な具材と合うので、栄養をプラスしたい方はお好みのものを足して召し上がるのもおすすめですよ。